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私の好奇心(貯金箱からくり編) [幼少時代]

私が4歳か5歳のころの話である。

雑誌の裏表紙によく通信販売の広告が載っていた。

お目当ては「骸骨の貯金箱」である。


現金書留で代金と送料を送付して貯金箱が届くのを待った。


1週間ほどたって、茶封筒に入った貯金箱が届いた。
開けてみると、ぜんまい仕掛けのブリキでできた四角い貯金箱が出てきた。

さっそく、ぐりぐりぜんまいを巻いて...

「どんな動きをするのかなあ?」であった。


所定の位置に10円玉を置くと... 

「ジーーー」と音がして骸骨の手がフェルトの中から出てくる。
「ジーーー」と音がして10円玉をブリキの貯金箱の中へ引き込む。
「ジーーー」と音がして「カチャン」と中へ入ったら...骸骨がお辞儀をする。


私の好奇心が働いた。


「どんな仕組みになっているのだろう」


ブリキの裏にはコインを取り出すためのふたがついている。
そこから中をのぞいてみる。


「ジーーー」:テコでつながったスイッチがゼンマイの動力を開放する。
「ジーーー」:腕を伸ばすためのクランクが動く。
「ジーーー」:フェルトから手が伸びカムで骸骨の頭がお辞儀する。


妙にアナログ的なところが気に入ってしまった。


10円玉を載せては「ジーーー」また載せては「ジーーー」また載せては「ジーーー」



私の貯金箱にはいつも10円しか入っていないのであった。

[カチンコ]








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