飼い猫「ちゅん」が家出した。

「夕飯に帰ってこないな。明日は戻ってくるかな。」

そして、2日経っても3日経っても帰ってこなかったのである。

「ちゅん~帰ってこい......」


そのころ川でハゼが釣れていた。
軒にはそのハゼを父がさばいて大きめのかごにつるして干物にしていた。


「ちゅんがよくねらっていたな~」
「においを使ったら戻ってくるかも」


早速七輪とうちわを用意する。
火をおこし網の上で干物のハゼをパタパタと焼く。
近所にはハゼの焼いたにおいが、そこはかとなく漂う。

「ちゅん帰ってこい~」


しばらくして...



「にゃ...」と声がしたのである。


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